外国人技能実習制度は、国際社会との調和ある発展のために、わが国で培われた技能・技術・知識を開発途上国等へ移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に貢献することを目的として制定されました。この様な観点から先進国として国際協力という制度の趣旨や目的に反し、国内での安価な労働力として利用されることのないよう、外国人技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する技能実習法(平成28年11月28日公布・平成29年11月1日施行・平成28年法律第89号)に基づいて外国人技能実習制度が実施されることとなりました。
基本理念として技能実習は技能等の適正な修得、習熟のために指導されるとともに技能実習生が健全な環境及び万全な体制の中で技能実習を行わければならない事が定められています。この制度は国際貢献のため、主に開発途上国の外国人を日本で一定期間(最長5年を限度とする)受け入れ、技能を習得していく制度となります。外国人技能実習制度の拡充策として、優良な監理団体の実習期間5年間への延長や、受け入れ人数枠の拡大、対象職種の拡大などが盛り込まれており、令和4年4月25日時点で86職種158作業が対象になっています。また、平成31年4月には新たな在留資格である『特定技能』が設けられ、介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の14分野に属する相当程度の知識又は経験、技能を要する業務に従事する外国人実習生の受け入れが可能となりました。
技能実習生は平成30年10月末時点で309,470人在留しています。その中で監理団体型の受け入れが96.6%(平成29年度末)となっており、受け入れ企業の半数以上が中小規模の企業となっています。外国人技能実習増加の一方で失踪者数においても平成24年は2,005人でしたが、平成30年は9,052人と大きく増加しており、受け入れ企業と技能実習生との信頼関係づくりの重要性が求められています。今後は外国人技能実習生の増加が見込まれる中で、企業も実習生もお互いが理解し納得できる職場づくりが求められるとともに、監理団体が果たしていく役割はとても大きく重要です。当事業団では外国人技能実習制度を正しく理解し担当職員が研修など積極的に参加し、新しい条例などを受け入れ企業にタイムリーにお知らせできる体制づくりに努めてまいります。